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2015年 03月 31日
鉄のフライパン
必ずご使用前に空焚きを行ってください。

説明書を読みながら失敗したかもってもう思い始めてた。
一生モノだとか聞いたのに。

前にテレビで見たんだ。
味が違うって、お肉が美味しくなるって。
その時はそれで忘れていたんだけど、急に思い出して買ってしまった。

なんで別れたの、もったいない。
話すとみんながみんなそう言った。
自分でもそうだろうなって思う。
イケメンで目立たなくて良い匂いのする男。若くて。

滑り始めると直ぐに勢いがついて、
雪の上をただ滑って行くような数日だった。最後は。
掛け違えたボタンは一度脱げばやり直しが効くよ。
あの男はそう言うと体を求めてきた。

将来だとか運命だとか、私にはまだ想像がつかない。
絵を描いて、色を塗って、そうやって私は生きているつもりだ。
それなのに完成が見えてこないのは、私のキャンバスが狭くなって来ているからだろうか。

「ズボラなあなた必見、お手入れ不要で一生使える鉄フライパン」
ページを捲りながら、「うそばっかりね」そう呟いていた。

人生とは斯くも面倒だ。

少しだけ真面目な顔をしてみて、火をつけた。

地獄の業火に〜〜〜!

鉄のフライパンを焼きながら私はまた一つ覚えて、

それからまた一つ、忘れたのだ。

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by pyonjet | 2015-03-31 14:36 | [post poem]
2011年 09月 27日
夏にさよなら
「曲がったことが嫌いだからパーマはかけないの」とテレビの向こうあの娘は笑う。

厚手のカーディガンを着て汗をかいてしまう僕の季節が、
「繰り返しはしないか」と庭先で踊る。

蜂は蜜を集め、熊は支度を始める。

わらの上で寝てしまった子羊が今目を覚ました。

恐竜がいた時代の植物の化石を見つけたんだと電話がある。

ジュラ紀だろうと決め付けて切る。

どこかの州のプライドの高いチキンを頬張って
慌てた油に水をさす。

「一人じゃなにも出来ないんだから」
遅れて来た夕食の便りに
「チキンを買って食べたよ」と告げると
「私の分は?」と怒られてしまった。

今日は沢山呼吸した。

沢山吐いて

沢山吸った。

お札を一枚手にとって
買って来ますと僕は笑う。

手を繋いで駅前の道を横切る。

夏にさよならを言ってなかったことを思い出し
二人は手を振り「またね」と言う。

すっかり秋を吸い込んでしまう。
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by pyonjet | 2011-09-27 21:15 | [post poem]
2011年 09月 27日
にき
傍に電車が通る度にがたがたと揺れる。

そのうちに棚から落ちて来た星が

割れて床に刺さる。

危ないからと言って片す君を

僕は横から写真機に閉じ込める。

本当なら夕方に作るべき夕食を

遅れて作っていると

鍋の底が焦げ付いてしまう。

虫が風に言い訳を言付けていたみたいで

やけにしつこく風が騒ぐ。

もう既に寒くなった夜を

部屋の中に入れまいと窓を閉めるが

焼魚達が煙たいと言うので開け直す。

味つけられた部屋の空気が

テレビを消しなさいと命令するので

僕はしぶしぶリモコンを探す。

開いた部屋の隙間から

宇宙船が二機入り込んで来て

何かを探している。

ちり箱の上をくるくる回って

ここだ、ここだよと僕を撃つので

「わかりましたよ」と星のかけらを渡す。

挨拶も言わずに飛び去った宇宙船に

「またね」と言うべきか

「さよなら」と言うべきか迷う。

写真機の中に閉じ込めた君を

ファインダー越しに眺めてみると

そこにはもう居なくなっていた。

あいつらに伝言をとほうき星に願い

次に近くを通るのはいつかと尋ねると

予定通り行けば250年後だと言うので

それまで寝て待つことにする。

私の夢の中の宇宙を

二機の宇宙船が飛び交う。

夢の宇宙を二機がさまよい

何かを探している。
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by pyonjet | 2011-09-27 21:14 | [post poem]
2011年 09月 27日
ネルスの森
森に行こうと君の手を引く

眠い眼を擦りながら君は「今から?」と問う

やり残したことを思い出したんだ

目印を付けておいた場所まで

探しに行こう と僕は答える

いつもならそこで「明日にして」と終わるはずだったんだけど

珍しく君が「いいよ」と言ったので少し驚いてしまった

森へ向かう

森の夜は静かだと思っていたのに

夜が活動期にあたる者達が沢山居て賑やかだった

奥に切り株を見つけ腰掛けると

張りつめた空気が澄んで行くのが分かった

僕が間違ったことを言い出すのを待ってるみたいに

木々の節々が見つめてる気がする

空の星々は黙ったまま小さく 煌めいてみせる

この森を抜ければ 海へ出ることを

僕も君も知っているんだ


ネルスの森は言葉の森

夜のネルスは賑やかだけど

まとまりなく鳴いて

一つに成れない

ハミングバードが言ってたよ

朝を待ちなと言ってたよ


だから僕は思いもそのままに残して

眠ることにしました




[2006年08月14日に書いた詩]
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by pyonjet | 2011-09-27 20:55 | [post poem]
2011年 02月 18日
おれのきもち
おれのきもちはなんかいだ

なんかいきいてもそのたびに

ちがうこたえがやってくる

たすけてくれよおまえさん

ここからおれをつれだして

きみのねどこへさそってよ

こいするたびに

なんかいだって

あいするんだろ

なんかいだって

それがわかっているからって

なんかいだって

なんかいだって

さいごのいっかいをさがしてるんだぜ

そんなおまえさんをこころにえがきながら

かいてるんだぜいまだって

たすけてくれよおまえさん

ここからおれをつれだして

だいすきよってつたえてね

なんかいなおれのきもち

なんかいでもきいてね

なんかいでもつたえてね

たいせつなきみのきもち



【書いた日 2005年02月06日13:45】
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by pyonjet | 2011-02-18 01:52 | [post poem]
2011年 02月 18日
毎日悩む君に
毎日悩む君に

なにを打ち明けよう

毎日眠れない君に

なにを

風を起こすのは西の民か

僕はそれに乗ってどこに行こうか

集まる場所 集まる場所は

どこにしますか

毎日悩む君の

話を聞こう

毎日眠れるように

話を

毎日悩む君と

話をしよう

毎日眠る時

話そう



【書いた日 2006年11月04日23:45】
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by pyonjet | 2011-02-18 01:44 | [post poem]
2011年 02月 15日
部屋 冬 空
空に気持ちを分けてあげた

あなたの為を思っていたのだけど

雨が降ってくるので

余計なお世話だよと教えてあげた

鳥がもう帰りますと雲に告げている

僕の世界よりももっとずっと広い

視界を手に入れている

部屋では昨夜からずっと

空気を燃やしている

心配になって窓を開ける

温度差に驚いた白い息が漏れる

もう少し大人になったら

煙草を吸ってみるのもいいかも知れない

空がなかなか泣き止まないので

もう一つ気持ちを分けてあげた

鳥はもう鳴かなかった

雨に脚が生えて歩いて行くのが見えた



[これを書いたのは、2006年12月03日11:56]
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by pyonjet | 2011-02-15 01:24 | [post poem]
2011年 01月 16日
もうねなさい
もうかりまっかと
うさぎさん
ねぐりじぇすがたであらわれた
なんでやねん
さるとぶみぎて
いぬはほえ

もろっこあたりの
うんてんしゅ
ねぐせのまんまで
なやみます
さどんりー
いふ ゆー しぃんく そー

もうひとつ
うすあかりのなか
ねがうことがある
なっしんぐねすじゃない
さいこうのさあいこう
いっしんにいっしょに

もはんかいとう
うそつききょうし
ねるおくすりで
ないといんべっど
さみしがりやの
いつでもどこも

もーるすしんごう
うるおぼえ
ねるねるねるねと
なみうつあいず
さいかいしましょ
いつかまた

も う ね な さ い
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by pyonjet | 2011-01-16 23:19 | [post poem]
2010年 12月 06日
遠い日
集めた貝殻をもう一度海に還した

砂浜に消し忘れた伝言があって

僕はそれに手を合わせた

君は珍しくスカートを履いている

太陽が色を変え始めた

終わりと始まりが波打つ浜辺

短い筈の季節が足踏みをしている

静かにしていると

満たされてしまう

目を細めて君に

君に追い付く

始まりと終わりが

沖に出て行く

僕も君もまた一つ

貝殻を拾う
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by pyonjet | 2010-12-06 01:29 | [post poem]
2010年 11月 25日
[詩] 愛しの君とレム睡眠
「変わってよ、変わって」

君はそう言って、チキン頬張った。

今開いたドアに駆け込むっ

眠りについたのか

ついてないのか

わかんないくらいの時に、動いた。

天井を見ていた。

君の寝息、気にならない、愛しさ。

僕の頭は何故かフル回転。

さっきから今日仕入れたコンピューターの話題でぐるぐる。

そのまま夢に堕ちて、
いくつかの夢の話、
聞かせて。

僕の朝。
+
君の朝。
=
ウェイクアップ笑顔。
-
君の低血圧。

全部メモリーに記憶。

抱き締めて二度寝。

それはレム睡眠。

愛しの君とレム睡眠。
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by pyonjet | 2010-11-25 01:18 | [post poem]